« September 2014 | Main | November 2014 »

October 2014

October 28, 2014

第9回メープルスイーツコンテスト 日常性と芸術性の接点を極める

毎年、木々が紅葉するころ、カナダ大使館で行われる、メープルスイーツコンテストの表彰式。
世界から注目の集まる日本食を意識して今年からは和菓子にもメープルシュガー、メープルシロップの可能性をひろげるべく、東京製菓学校から和菓子の先生も審査員に迎えていました。

Dscn0793

今年のグランプリはパティスリー オ・グルニエ・ドールの加藤喜子さんの「楓の小路」でした。黒ビールを用い、大人の男性のためのアシェットデセールを意識したのだそうです。楓の落ち葉に初雪の風情が美しい。

Yoshiko_kato01

菓子部門の優勝はエコール・クリオロの中塚隆雄さんの「les feuilles d'automne」。伝統菓子ポンヌフをメープルとリンゴのコンポートでアレンジした作品。

Takashi_nakatsuka01

そしてパン部門の優勝はドンクの上田義貴さんの「ケベックの恵み」。これはメープルのブリオッシュで、シンプルに見えますが重層的にメープルを使い、ヘーゼルナッツプラリネを活かしているのだそうです。

Yoshitaka_ueda01

上田さんはドンクそごう横浜店のチーフ。「ケベックの恵み」はいずれそごう横浜店で販売を予定されているそうです。

Dscn08172

審査員、ポワンタージュの中川清明さんは「日々の努力や熱意を感じました。普段の環境との違いに苦労をされたことと思います」そして材料の組み合わせについて述べられました。材料の組み合わせについては他の審査員も言っておられました。

「メープルをたくさん入れれば香りは強くなるかもしれないが当然甘くなります。副素材の選び方や食感が勝敗を分けたのではないかと思います」ザ・キャピタル東急の安里哲也さん。

そしてシニフィアン・シニフィエの志賀勝栄さんは「入賞できる人というのは日常性と芸術性の接点を極めた方だと思います。芸術性というのは、イマジネーションと人間性。たくさん本を読んだり、いろんな環境に身を置くことで研鑽されてください」と。日常性と芸術性というのは志賀さんもいつも考えておられることなのだそうです。

それにしても、よどみなく、シンプルに、理路整然と話をされる志賀さん。
パンづくりだけではなくて、そのことばに、いつも心をつかまれます。

| | Comments (0)

October 27, 2014

秋の気分

Dsc_8249

秋になるとわたしは、ドライフルーツやナッツのぎゅっと濃密なパンを食べたくなる。
乾燥していた果実はパン生地の水分で、すこしだけ過去の姿にかえり、
ジャムのように艶のあるみずみずしさで、視覚をあるいは触覚を魅了する。

そしてもうひとつ、秋といえばメープルスイーツコンテスト。

これから表彰式です。
たまには、リアルタイムで書いてみました。

| | Comments (0)

October 25, 2014

ル・パン・コティディアン アラン・クモンさんを囲む食事会とインタビュー

10月10日に料理通信が主催する、ル・パン・コティディアンのアラン・クモンさんを囲む食事会に出席しました。

Dsc_8174

1990年、ベルギーのブリュッセルの小さな空間、たったひとつの(しかし14席の、大きな)アンティークテーブルから始まったル・パン・コティディアン。日本には2011年に出店、いまでは東京で、芝公園、オペラシティ、表参道、日比谷、東小金井、代官山の6店舗を展開しています。

ル・パン・コティディアン 芝公園(2011)

ル・パン・コティディアン 東京オペラシティ(2012)

Dsc_8201

会では編集長の君島佐和子さんの進行で、ル・パン・コティディアンについて、自分にとっての「プルーストのマドレーヌ」(懐かしの味覚)について、食で大切にしていることについて、など、アラン・クモンさんと食に関わる仕事をする人たち、料理通信の読者の方々との意見交換が行われました。

Dsc_8209

メニューはアペリティフにサーディンのセビーチェ、ヴィーガンディップ、メインにチキンポトフ、きのこのオーツ麦リゾット、デザートにタルト・タタン。飲物はラングドック・ルーションのアランさんのワイナリーでつくられるオーガニックワイン、RN13。これらすべてを、ル・パンコティディアンの数種類のパンと合わせて楽しみました。

Dsc_8220

Dsc_8205

じつは、今回のアランさん来日を知って、『わたしの素敵なパン時間』インタビューを申し込んでおり、会の前にお話を伺っていました。そこで、とても面白い気づきがありました。

Dsc_8210

それは、タルティーヌのことでした。

タルティーヌというのは、塗るという意味のtartiner(タルティネ)ということばから来ています。半割にしたバゲットにバターとジャムなどを塗ったシンプルなもののことです。

でも、最近、とくにル・パン・コティディアンのような店によって、チーズやハムや、彩り豊かな野菜などさまざまなものを載せた趣向を凝らしたタルティーヌがカフェなどでふるまわれるようになってきました。
参照:ル・パン・コティディアンのタルティーヌ

Dsc_8214

Dsc_8223

アランさんへのインタビューで、彼はタルティーヌをスシに例えました。それは、炊き方のきまった上質な飯に新鮮で上質な具を載せる、という意味において。

そのあとで、平日と週末、カフェと家庭、という時間や場所の違いによるタルティーヌの違いにわたしの質問が及んだ時、「こういう、ル・パンコティディアンのように最初から具が載っているタルティーヌはカフェのスタイルであり、家庭のそれはテーブルの真ん中にパンをドン、とのせて、家族それぞれがセルフで好きな具を塗ったり載せたりして食べるんです」、という答えが返ってきました。

それはまるで、日曜日の家族の団欒、手巻き寿司ではないでしょうか。
一方で、あの美しいル・パン・コティディアンのタルティーヌは、寿司職人がつくる握り的なものなのですね。

Dsc_8226

インタビューの内容はここでまた、ご紹介できたらと思っています。

Dscn0514

※ル・パン・コティディアンのレシピブックについてはこちらでご紹介しています。

| | Comments (0)

October 13, 2014

第5回モンディアル・デュ・パン 日本代表決定

10月7日~10日まで大阪で開催されたモンディアル・デュ・パン日本代表選考会で、2015年10月にフランスで開催される予定の第5回モンディアル・デュ・パン日本代表がフリアンドの谷口佳典さんに決定しました。

Mdp1

モンディアル・デュ・パンとは、2007年から始まった若手パン職人を対象とする製パン技術を競う世界大会で、おいしさや芸術性だけでなく栄養や健康面に留意しているところが特長です。

競技種目は「国際パン部門」でバゲットなど日常のパン、雑穀などを使用した栄養と健康のパンとルヴァン生地のパン。「サンドイッチ部門」で栄養のバランスの取れたサンドイッチ、「ヴィエノワズリー部門」で発酵折込み生地と発酵生地のヴィエノワズリ、「芸術作品部門」で日本をテーマにした飾りパン。これらを前日に1時間、当日8時間以内につくります。

Mdp2

谷口さんはこれから、来年のフランスでの本選へ向けてトレーニングに入ります。
応援していきたいですね!

(今回は取材に行かれなかったので、伊原靖友さんより画像をご提供いただきました)

参考までに、2010年の第3回の日本代表公開選考会の様子はこちら及びこちらで記事にしています。よろしければご覧ください。

| | Comments (0)

« September 2014 | Main | November 2014 »