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September 2014

September 29, 2014

ベッカライ・ビオブロートのパン

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いつも行くパン屋さんで、『ベッカライ・ビオブロートのパン』松崎太 著(柴田書店)をぜひ読んで、と薦められ、帰りに本屋さんに直行して買って帰った。

前半はベッカライ・ビオブロートの職人、松崎さんがパン職人になるまでの話。
彼自身が書いている。

「今後の人生の大半は仕事をして生きていくのに、それが楽しくなかったら、本当にやりたいものでなかったら、人生そのものがつまらなくなることが、働いてみてやっとわかった」と彼はいう。

そしてひとつのこと、すなわちパンを焼くことを究め、ドイツでマイスターの資格を取得する。さまざまな人に会い、その仕事のしかたを学んでいく。古本屋に通い、古い原書からも学ぶ。いにしえの人からも学ぶのだ。

尊敬できる人とも出会う。ただ真似をしたところでそれは借り物でしかない、と自覚している。

「たとえどんなに頼りなくても、僕は自分の考えでやってゆかねばならないと感じていた」。

まだ前半までしか読み終えていないけれども、この本は多くの方におすすめしたいと思った。
松崎さんの仕事に対する姿勢に強く惹かれた。

仕事で迷っている人に、読んでもらいたい本。

ベッカライ・ビオブロートはこんなお店です。
ベッカライ・ビオブロート(All About)

ベッカライ・ビオブロート取材の話(Bread Journal)

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September 27, 2014

オーストリアのパン食文化

食のセンスある方々にパンの愉しみについて伺う『わたしの素敵なパン時間』 (日清製粉 NKCレーダーにて連載中)第36回目はパン文化史研究者の舟田詠子さんでした。

創・食Club会員及びNKCレーダー購読者の方のみご覧いただける記事ですが、許可を得てこちらでも全文ご紹介させていただきます。

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看板商品のパンを、誰もが買える値段で出すのがオーストリアのパン屋さんの精神

舟田詠子さん/パン文化史研究者

◇豊かなブランチの時間

ウィーンでは、誰も来ない日は朝昼兼用で、冷蔵庫に常備されているものを、いろいろ食べますよ。野菜、チーズやクリーム、ヨーグルトなどの乳製品を数種類、自家製スプレッドやジャム、パンにコーヒー。

一番よく食べるライ麦50%のミッシュブロートは切り売りで最低でも500gは買わないといけないんだけれど、100円から150円くらいで買えるの。自分の店の看板商品だというパンを、誰もが買える値段で出すというのがオーストリアのパン屋さんの精神なのよ。人の命を養うんだ、っていう精神ね。菓子パンみたいなものは途方もなく高いとわたしは思うのよ。でも、そういうパンはお金のある人が買えばいいわけよ。スタンダードのパンがすごく売れるからパン屋さんはもとがとれるというわけ。

ウィーンのスーパーに行くと肉加工品のウィンドウは10m、乳製品は15mくらいあるんですよ。パンを食べるためにはそうでないとね。乳製品は本当にいろいろあって、なかでもトプフェン(ドイツでいうクヴァルク)というフレッシュチーズは、お豆腐と同じくらいの値段で、パンに塗るためのものだけでもハーブ入り、パプリカ入り、ツナ入り……と10種類以上あるのよ。

わたしはミッシュブロートにはバターの代わりにサワークリームを塗ります。ライ麦パンは脂肪分が入っているものを一緒に食べるとおいしくて、その脂肪もサワークリームのほうがパンの味をひきたてる気がするわ。

 前に住んでいた家の庭は果樹園のように、ブルーベリー、ラズベリー、リンゴ、杏などが採れたので、よくジャムを作りました。リンゴは冬の時期、赤いルバーブと合わせて煮るとおいしいのよ。野菜のスプレッドは、マッシュルーム、トマト、ズッキーニ、パプリカなどをトロトロになるまで炒めて作るの。赤ワインやハーブ、トマトペーストも入れて、さらにカレールーを入れたものは人気があるのよ。これはカナッペにします。

◇ウィーンの素敵なカナッペ屋さん

ウィーンにはカナッペ屋さんというのがあるんですよ。日本でもパンが食事になる方法をもっと考えて、カナッペをやったら可能性が増えると思う。日本人は手先が器用なんだから、すごいことになると思いますよ。

カナッペ屋さんには上にのせる食材が250種類くらいあるの。サーモン、イワシ、ニシンの幼魚、イクラ、キャビア、卵、ハム、ソーセージ、野菜……なんでもいいのね。1つ150円くらいで、3個食べたらお腹一杯。黒パンに3種類の食材を組み合わせる店があれば、白パンに彩りよく、目が喜ぶようなきれいな盛り方をする店もあって、そんな店ではワインを抱えた青年が「これ2つ、あれ2つ」って全部ペアで買っていたりして、きっと彼女が来るのね。カナッペはテイクアウトもできるから、家できれいに並べたら、とても素敵。

◇麦を育て、収穫し、パンを焼き、食べてきた人たち

オーストリアではお母さんが幼児にミッシュブロートの端を手に持たせるのよ。少し大きくなっても、「お腹がすいたら食べなさい」って持たせるのね。そうやって、人は小さい時にパンの味を知るのよ。

EUと共に白くて柔らかいもの、見てくれのいいものが入ってきて、お母さんが手で切ったのよりスライサーで切ったパンのほうがよくなって、今はどこの家にもスライサーがあるの。昔、パンを最初に切る時には、食べ物や作物を神棚に供えてからいただくのと同じように、パンの下側に包丁の先で十字の印をつけて、初切りの儀礼をしたけれど、スライサーになってからはしなくなっちゃった。昔はそうやって感謝の祈りをしてから食べていたのに、いろんなことが変わってしまったわね。

パンというものは、おいしい、まずいを話題にするものではないのよね。オーストリアは食糧自給率が95%ぐらい。わたしが調査に行くような農家のパンは、日本みたいに高級なパンではないけれど、どんなに重たいパンだろうと自分のところで育てた麦のパンを食べているのよ。

わたしがインタビューをしてきたアルプスの村のおばあさんたちはね、「食べもので何がいちばん好きですか」と聞くと、「食べられるものならなんでも好きですよ。食べられるものならなんでもおいしいと思いますよ」と言ったのよ。

作物を自分の手で作っている人は、やっと芽が出た、ここまで育った、嵐が来たけど大丈夫だった、というように毎日手塩にかけてきたからこそ、そう思えるんでしょうね。

Funada

舟田詠子  / パン文化史研究者

東京生まれ。上智大学ドイツ文学科卒、ドイツ留学。 1978年来、世界各地でパンの文化を探るフィールドワークと文献研究を行う。1年のうち約7ヶ月はウィーン在住。
著書 『アルプスの谷に亜麻を紡いで』(筑摩書房)、『アルプスの村のクリスマス』(リブロポート)、『誰も知らないクリスマス』(朝日新聞社)、BROT–Teil des Lebens』(mdv)、訳書 『中世東アルプス旅日記』(筑摩書房) 、『パンの文化史』(講談社学術文庫)
制作ビデオ《パンの民俗誌》、制作協力ビデオ 《人間は何を食べてきたか》(NHK教育スペシャル)

(株式会社日清経営技術センター会報『NKCレーダーvol.69』掲載記事)

【以前の記事】

第35回 笹島保弘さん /  イル ギオットーネ オーナーシェフ

第34回 クリストフ・ヴァスール さん /  デュ・パン・エ・デ・ジデ オーナーシェフ


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September 18, 2014

ドミニク アンセル ベーカリー

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ディーン&デルーカ、シティベーカリー、サラベス。NYの人気店の上陸が続きますが、来年はあの「クロナッツ」を大ブレイクさせたDOMINIQUE ANSEL BAKERY (ドミニクアンセルベーカリー)が表参道に初出店するそうです。

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ドミニクアンセルベーカリーは2011年にニューヨークにオープン、『Time Out New York』で「Best New Bakery of 2012」を受賞、全米No.1レストランガイド「ZAGAT」の2013年度版ペーストリー部門の最高得点を獲得しています。

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September 17, 2014

「パン屋のビストロ」ラ・テールメゾン

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All Aboutで三宿のラ・テールメゾンの記事を書きました。
ナイフとフォークでパリパリの生地を割ると中には……。
ここならではのユニークなメニューがあります。

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「パン屋のビストロ」ラ・テールメゾン

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September 07, 2014

有機ふすまを使ったパンの専門店フスボンショップ

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All Aboutで有機ふすまを使ったパンの専門店の記事を書きました。
自らが必要とするものを商品に。お店誕生の裏には必要から生まれた発想がありました。

有機ふすまを使ったパンの専門店フスボンショップ

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