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June 2014

June 26, 2014

パリ-アッシュとル・シュクレ・クール

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大阪のパリ-アッシュへ。5年ぶり。
昨年、本町から中之島に移られたのだ。
年末より約束していてようやく行けた。

天野尚道さんは5年前と同じように奥で黙々とパンをつくられていて
5年前と同じようにわたしに、貴重な時間を分けてくださった。

天野さんが油絵のように素材をかさねていく手法でパンをつくられるから、
わたしも5年前のアッシュにいまのアッシュをかさねていく手法で
インタビューをとった。

限られた貴重な時間に、会ってくださってありがとう、と思う。
マダムの恵美子さんの笑顔にもまた助けられた。
いつも、素敵なご夫婦だ。

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All Aboutで書いた記事はこちら

パリ-アッシュ【大阪・中之島】


***

それから初めての、ル・シュクレ・クール。
All AboutやBread Journalを読んでくださる方々に
アッシュとならんで、ファンが多いパン屋さんだ。
わたしはなかなか訪れる機会がないまま今に。

すこし前にコレド室町の LA BONNE TABLEで思いがけず
1ピースの、岩永歩さんのパンに出合った。

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このパンはもとはとても大きくて、テーブルくらいの大きさなのです
と説明を受けた。わたしはそこで、デュ・パン・エ・デジ デの
クリストフ・ヴァスールさん
のことを思い出した。

料理のためのパンだ。
友達(のように大切なひと)のためのパンだ。

よく焼きこまれたクラストのこうばしさが、
森のような香りのするワインとよくあって、
そのクラストに包まれた瑞々しい生地の味わいが、
料理とおなじくらいに生き生きと、
心地よさそうに呼吸しているのを感じた。

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こんどはル・シュクレ・クールのパンを知りたい、と思った。
近いうちに、取材させていただく予定。
なんとか、機会をつくらなくちゃ。

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June 25, 2014

トースターとホームベーカリーの取材

Bread+something good(パンと何かいいもの)について書く最近の仕事で
「トースト総研」での連載がありましたが、トーストといえばトースターです。

最新式のトースターが、オーブン機能も搭載されてすごいのだけれど、
つくったひとに話を伺ってみたいと口にしたら、叶ってしまったのでした。

日本初、いや、世界初のホームベーカリーをつくったひとのお話も
伺えることになり、滋賀の草津のパナソニックアプライアンス社へ。

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そこで機工(設計)、制御回路、コンピューター、調理ソフトのプログラム開発
などを担当されている人々にお会いしました。

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キーを一度押すだけで、魔法のようにおいしいものが焼けるその小さな機械に
詰まった知識や技術。ニッポンのパン食のトレンド。

5時間半にわたる取材の終わる頃、夕立があって、虹が出ていました。
お会いできた方々の笑顔と静かな情熱に、心を打たれました。
貴重なお話に感謝。

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+something good、今回はオーブンとホームベーカリーでした。
このお話はあらためて。

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June 22, 2014

パンとジャムとコーヒーと

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久しぶりに梅雨空が戻ってきた日曜日の朝、ゆっくり起きて
たくさん届いたサクランボを少しだけジャムにしながら
これもまたいただきもののコーヒー豆を挽く。

コーヒー豆を挽くためにしか使っていなかった
フードプロセッサが壊れてしまって
手回しの、コーヒーミルを買ったのだ。

それをしながら焼くパンは、京都の金網がいいだろうと思って
今朝は雨音を聴きながら、ゆっくり。

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June 18, 2014

Sarabeth's(サラベス)、品川に3号店オープン

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2014年7月11日、アトレ品川に、新宿、代官山についで3店舗目となるSarabeth's(サラベス)がオープンします。

2012年にNYから上陸、一日中、朝食メニューが愉しめる店として話題になりましたが、品川店ではディナータイムに“モダン・ニューヨーク・ビストロ”をコンセプトにしたメニューが愉しめるそう。

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18時からのアトレ品川店 限定メニュー、帆立貝のエッグベネディクト

※「サラベス」は、ニューヨーク出身の女性サラベス・レヴィーンにより、1981 年NY アッパーウェストサイドに創業。「New York Magazine」から“NY の朝食の女王” と賞賛されました。映画「恋するベーカリー」で主演のメリル・ストリープに調理指導したことでも有名です。
現在NYに10 店舗、フロリダに1 店舗、東京に2 店舗(ルミネ新宿、代官山)を展開しており、今回の品川店は14 店舗目。

【関連記事】
NYの人気店サラベス、新宿に海外初出店

公式サイト

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余談ですが、これは1996年のわたしのスケッチブック。デジタルカメラとインターネットのない時代のNY旅日記。その頃から変わらないメニュー。2012年の東京でサラベスさんに驚かれて、そして喜んでいただけました。

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June 14, 2014

素敵なサンドイッチ食堂にて、個展のお知らせ

ル・プチメックの素敵なサンドイッチ食堂、レフェクトワールで開催中の寝暮家(ねぼけ)展に行ってきました。
昨年の詩と写真の個展、cloud 9 exhibitionでもお世話になった福井邦人さんのイラスト展です。

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能の絵が、わたしは好きです。

能だけでなくて、どの絵にもあちら側の世界を感じます。
こちら側からあちら側に向けている視線。
それは絵の中の子供の、それとも彼の、あるいはわたしの。
誤解を恐れず書くなら、生の哀しみ、死の可笑しみ、のようなものを感じます。

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福井さんとル・プチメックの西山さんとは一日しか誕生日が違わないというのは去年の発見でした。ちょっと素敵なカフェで三人で食事をした時のこと、子供の頃夢中になったことや好きだったものの話になって、わたしはひとり、彼らとチューニングが合わずに置き去りをくらいながらも、なにやらめちゃめちゃ波調が合っているらしい二人の会話に、ニコニコとしてしまったことを思い出します。これからまた面白いことができそうな気配。

寝暮家展は7月5日まで。7月6日から12日は、描猫写展(exposition des chats designés et photographiés)です。

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猫の絵を福井さんが描き、猫の写真を写真家のすずまゆさんこと鈴木真弓さんが撮ります。二人のコラボレーション展です。

描と猫は「びょう」と読みます。写とフランス語の猫"chat"は「しゃ」と読みます。
そんな発見をしたのもカフェでのお喋りからでした。

パンをきっかけにひろがるご縁と、楽しい友と一緒にこの世でなにかできることの幸せに感謝しています。

レフェクトワールでおいしいサンドイッチを食べながら、小さな展覧会も同時に愉しんでみませんか。

■レフェクトワール
渋谷区神宮前6-25-10 タケオキクチビル 3F
11:00~21:00(年中無休)
東京メトロ明治神宮前駅徒歩3分

【関連記事】
cloud 9 exhibition at Réfectoire

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June 13, 2014

マグノリアベーカリー日本上陸

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1990年代にNYでカップケーキブームを巻き起こした「マグノリアベーカリー」が国外ではドバイ、レバノン、クエート、ドーハについで、東京に2014年、6月16日、アジア初となる日本一号店をオープンします。場所は表参道の1Fにシャネルが入っているビルの地下。おなじフロアにはパンケーキが人気の「カフェ・カイラ」や「デュヌラルテ」などがあります。

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表参道を歩く女の子たちが"Kawaii"といって目を輝かせそうな、パステルカラーのバタークリームが飾られたカップケーキ各種は430円。

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マグノリアベーカリーにはどこかアメリカンノスタルジーの香りがしています。デビルズフード、キャロットなどの昔ながらのケーキやキーライムやチョコレートなど数種類のチーズケーキ、おなじみアップルクランブルやピーカンナッツなどのタルト、トライフルのようなバナナプディング、スニッカーズを使ったケーキなど、アメリカンスイーツのオンパレードだから。

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人気ドラマ『Sex and the City』のなかでキャリーが身にまとっていた服や靴はすぐに問い合わせがあって売り切れ必至と聞いたことがあるけれど、マグノリアベーカリーのカップケーキもそんなふうにブレイクしたとか。なんてミーハー!と思ったりするけれども、ドラマはわたしも昔、楽しみに観ていました。

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昔といえばマグノリアベーカリーの1号店が誕生したBleecker Streetは、マンハッタンのなかでも個人的に大好きな通りでした。わたしが知っているのはマグノリアベーカリーができる前のことなので、今頃はどんなふうなんだろうと、甘い甘いカップケーキをかじりながら、想いを馳せたのでした。甘くないラズベリーティーがカップケーキによく合っていました。

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「ディーンアンドデルーカ」、「サラベス」、「シティベーカリー」、「エッサベーグル」……。現地のそれとは多少異なる商品展開で日本の市場に挑むNYの人気店たち。マグノリアベーカリーは日本で今後どんなふうに展開していくのか、気になるところです。

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■マグノリアベーカリー表参道
渋谷区神宮前5-10-1 GYRE B1F
営業時間 11:00~20:00

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June 12, 2014

再び、ルーエプラッツ・ツオップにて

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朝日カルチャーセンターの講座「美味しいパン屋さんめぐり」。
前回は二子玉川のドンクへ、今回は再び松戸のツオップへ。

前回のように、ライ麦や全粒粉、ディンケル小麦のパンなど普段あまり味わう機会のすくない種類を、料理とともにテイスティングしていただきました。

ツオップの店長でパン職人の伊原靖友さんのお話はおもしろく、これは、ドンクの茶山さんも、VIRONの西川さんや牛尾さんのときもそうでしたが、彼らが話し始めると受講者の方々が目を輝かせるのがわかります。わたしも志のあるオーナーや職人さんの話を聴くのが、本当に好きです。

年初より朝日カルチャー講師を務めさせていただくことになり、All AboutやBread Journalをご存じない方や「パン愛好家」「パン好き」ではない方がたとの出会いがありました。

興味の赴くままにいろいろな講座を受講されている方のなかには、ご自身が大学の先生をされていた方や、ご自分でもパンを焼く方や、看護師さんや、大病から復帰されたばかりの方や、新幹線に乗ってはるばる来られた方や、ほんとうにさまざまの方がいらっしゃって、わたしにとっても新鮮な体験でした。出席された方に、パンについての、小さくても何か素敵なきっかけをお持ち帰りいただけていたら、何よりです。

ルーエプラッツ・ツオップは本当に居心地がいいのですが、年内か来年か、ディナータイムの営業も始まるそうで、楽しみです。

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壁にかかる絵もよかったので教えてもらいました。オーストリアの画家で建築家のフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーだそうです。日本でも彼の建築作品がいくつか残っています。

パンを撮影するのでも、背景に見える食器や雑貨ひとつひとつが、お店作りのためではなくてどちらかというと個人の嗜好で選ばれていて、それはおもにマダムのリエさんのセンスなのですが、この空間の居心地をよくしている要因のひとつだと思います。

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この日はここで、子供向けの本にも出合いました。
『パンができるまで (すがたをかえる たべものしゃしんえほん 5) 』(岩崎書店 宮崎祥子著白松清之撮影)。これはツオップが全面協力して、パンができるまでを写真で追った、かなりまじめな、わくわくするような、子供向けのパンの本です。

300種類ものパンを焼きながら、さまざまな人と出会い、お客さんはもちろんのこと、習いに来るひとにも、同業者にも、メディアの人間にも、「パンと何かいいもの」について日々いろいろなかたちにして伝えている伊原さん夫妻は、わたしの自慢の友人であり、また、先生でもあります。

これで朝日カルチャー講座は一旦終了です。
お会いできた皆さまに感謝しています。ありがとうございました。


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June 10, 2014

静岡フードミュージアム構想

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テレビ静岡の番組「てっぺん静岡」の「静岡フードミュージアム構想」なるコーナー出演のため、静岡のパン屋さん「マルコ デュ パン」へ。

若き職人さんたちがこの3カ月、番組に協力して試行錯誤しながら作り上げてきた「ご当地パン」を完成させるお手伝いでした。

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数年前から東京でお祭りなども開催されて、日本全国の「ご当地パン」には注目が集まっています。地粉や地域食材、郷土料理などと素敵な関係を築いていけるパンには新しい可能性がある気がします。

今回わたしは、「ご当地パン祭」ばかりか、パン屋さんでも、各種コンテストにおいてさえも、見たことも食べたこともないようなパンに出合い、その新しい発想に心を打たれました。

それが商品として成り立つには、店でのオペレーションやコストや経時劣化や、なによりこの店のお客さまにどう受け入れられるかを考えに入れなければならず、簡単ではないものですね。でも、期待が持てました。

放送は静岡地域だけになりますが、6月11日です。

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June 05, 2014

パンを無駄にしないイタリア料理

食のセンスある方々にパンの愉しみについて伺う『わたしの素敵なパン時間』 (日清製粉 「創·食Club」、NKCレーダー、NKCレポートにて連載中)第35回目はイル ギオットーネ オーナーシェフ、笹島保弘さんでした。

創・食Club会員及びNKCレーダー購読者の方のみご覧いただける記事ですが、許可を得てこちらでも全文ご紹介させていただきます。

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レストランにも家庭にもパンを絶対に無駄にしないための料理がいくつもある
笹島保弘さん/イル ギオットーネ オーナーシェフ

◇パンは、子供の頃は朝、今は夜の食べもの

おやじがコーヒー好きで、朝はご飯とみそ汁ではなくてパンとコーヒーという家だったので、子供の時からクロワッサンやブリオッシュを食べていましたよ。パンの他はコーヒーとサラダくらいなものですが、マーガリンじゃなくてバターだとか、ジャムもいくつかある中から好きなのを選ぶとかにこだわっていました。だから朝の記憶はパンとコーヒーの匂いですね。

今は意識的にきっちりと朝食をとります。空腹で料理して「わぁ、うまそうやなー」いう感じでお客さんに出したいんで、昼はなるべく我慢して、夜はパンとチーズとワインで一日の食事を締めくくります。今のぼくには、パンは夜中の食べものという感じですね。

ワインはピノノワール。ブルゴーニュのちょっと酸味のあるのが好きです。チーズはサンタンドレ、タレッジオ、パルミジャーノレッジャーノ。パンとチーズはご飯とお漬物みたいなもの。炭水化物と発酵食品を最後に食べるのは理にかなっていると思いますよ。料理人の集まりも夜中のことが多いですけど、そこでも皆でパンとチーズと赤ワインです。

◇パンと旨味

レストランのパンは、焼きたてで温かいことにこだわっています。焼く子らによって個性が出るのは否定しないけれど、料理との相性はアドバイスしますよ。なぜならパンだけで完結ではないから。おかずがあってご飯があるみたいなもんやからね。

人間の脳は、あまりに旨過ぎるものを食べると満腹に感じてしまうんです。だからパンを旨過ぎないようにするのがパン屋さんとレストランの違うところなんですよ。わざと塩を入れないでそっけなく作るパーネトスカーナなんてまさに、イタリアのパンと料理の関係を表してますよ。

イタリアで簡単に昼食をすませたいと思ったら屋台です。バラの花の形をしたロゼッタはパニーノのためにあるパンですが、それが山積みになったおでん屋のような屋台があります。ロゼッタを二つに割ってスープをビチャビチャにかけて肉を挟んでくれるんですが、固いパンが簡単につぶれるわけですよ。それに赤ワイン1杯で150円ほど。スープはおでんの出汁みたいだし、肉はトリッパか何かでやたら旨い。満腹にはなっていないけれど脳が旨味で満たされて、今日は食べたなって感じになるんです。

◇イタリアのパンと文化

イタリアのバールのパニーノは野菜もピクルスもなく生ハムだけを挟むんやけど、その枚数も薄さも完璧なバランスで、これがもう文化としか言いようがない。長年の感覚で決まっているんですね。職人には誇りがあって、鮨屋の大将と同じものを感じますね。

あと、レストランでお洒落やなぁ思うのは、片手にパンを持ち、片手にフォークを持ってしゃべる姿が格好いい人。ナイフを置いてフォークに持ち替えて、もう一方の手には常にパンを持って、ソースを拭ったりフォークを補助したりと、上手にパンを使って食べている人を見ると、ヨーロッパで暮らしていたのかなと思いますね。

◇パンを無駄にしない料理

イタリア人はパンが固くなっても捨てないですよ。それは文化なんです。日本でもパンを自分でアレンジして食べられるようになると食文化として定着してくると思いますよ。そのヒントはイタリア料理の中にありますね。絶対に無駄にしないということ。これはパン粉ごときの話やなくて、レストランにも家庭料理にもそういうメニューがありますね。

「パッパアルポモドーロ」はカチカチになったパンをトマトソースにでふやかした料理なんですけど、先月行ったイタリアではほぼ毎日食べてました。イタリアは空気が乾燥していてパンがすぐ固くなるんです。それをトマトソースでトロトロに炊く。具が入ると名前が変わって「リボリータ」。二度煮た、という意味になります。余ったミネストローネに余ったパンを入れるんです。ここに卵をポンと割ってオーブンで焼くと「アクアコッタ」になります。

京都のバールのヒットメニューは「モッツァレラインカロッツァ」。溶き卵に浸したパンにモツァレラチーズをのせて蓋をしたフライパンで蒸し焼きにして、サンドイッチにしてアンチョビバターをかけるんですよ。これだけでワインを2杯飲めますよ。「馬車に乗ったモツァレラ」という意味ですが、こういうものをいかにも高級な食べもののようにネーミングするのも、イタリア料理のおもしろいところですね。

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笹島保弘 /  イル ギオットーネ オーナーシェフ

1964年大阪生まれ。高校卒業後、サービスの世界に魅せられてレストラン業界に入る。その後、料理のおもしろさに目覚めて料理人に転向。88年「ラトゥール」(大阪)、91年 「ラヴィータ宝ヶ池」、 96年「イル・パッパラルド」(京都)で 料理長を務めた後、2002年、イタリアのように地産地消に積極的に取り組んだ京都発信のイタリアンを目指し、京都、八坂の塔の隣に「イル ギオットーネ」を 開業。05年には丸の内に2号店をオープン。京野菜をふんだんに使ったイタリアンで人気を博している。

(株式会社日清経営技術センター会報『NKCレーダーvol.68』掲載記事)

【前回の記事】
第34回 クリストフ・ヴァスール さん /  デュ・パン・エ・デ・ジデ オーナーシェフ

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June 04, 2014

第5回辻静雄食文化賞

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6月3日、明治記念館で第5回辻静雄食文化賞の贈賞式が行われました。
辻静雄食文化賞とは、辻調グループ校の創設者、辻静雄さん(1933~1993)の志を受け継ぎ、食文化の発展に貢献した人の活動や作品に贈られる賞です。

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第5回辻静雄食文化賞受賞は書籍と映画に贈られました。

書籍『食と建築土木』著:後藤治 二村悟、写真:小野吉彦(LIXIL出版)と
映画『ある精肉店のはなし』監督:纐纈(はなぶさ)あや 

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『食と建築土木』は日本の豊かな村の風景、「たべものをつくるしくみ」たとえば柿を干す柿屋や大根櫓など23点を建築土木の観点から記録した本で、日本の自然と食文化の関係性を描いています。現代の食についてあらためて考える機会となりそうです。

二村さんは工学院大学建築学部の教授。二村さんは客員研究員。
個人的な話で分野は違うのですが、十数年前ほんの少しの間、工学院大学建築学部でお手伝いをしていたことを思い出しました。これは拝読しなければと思います。

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『ある精肉店のはなし』は江戸時代から続く歴史に幕をおろした大阪の小さな屠場、北出精肉店の記録。大量工業生産化が進む一方で、静かに続く職人技の記録でもあります。

「暮らしを撮るにはお客さんとしてではなく現場で自炊して」北出さん一家と食事をともにしながら撮影をしたと言います。「現場の人たち皆に賞を貰えたような嬉しさ」と涙ぐむ纐纈監督の仕事に心を打たれました。また、いまだに偏見のある目で見られることもあるこの仕事を誇りをもってされている北出さんの「命あるものをいただく、ということを自覚しながら生きて行く」と淡々と語られたその言葉、その仕事。この方もまぎれもない、素晴らしい職人さんだと感じました。

このドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』は、7月4日(金)、小金井市民交流センター小ホール(JR武蔵小金井南口)にて上映予定だそうです。

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そして、現場で第一線で仕事をされて日々、人を感動させ、さらに精進を続けている方に贈られる専門技術者賞には大阪「本湖月」の穴見秀生さんと京都「未在」の石原仁司さん。
偶然、お二人とも吉兆におられた料理人でした。

「本湖月」の穴見さんは1969年からパリでJALの機内食を作っていたそうですが、辻静雄に「せっかくフランスにいるんだからおいしいものを食べなさいよ。ギャラを残すことはないよ」と言われてギャラを全部お腹の中に収めたのだそう。そんなエピソードがいくつかあって、会場に笑いを湧かせる、とてもチャーミングな方でした。
「身体がある限り、素敵な日本料理を皆さまに、メッセージとして送っていきたい」という穴見さんの店は『ミシュランガイド関西2014』まで、5年間二つ星を継続されているそうです。

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「未在」の石原さんは残念ながら欠席でしたが、お店は東山の円山公園にオープンして10年。『ミシュランガイド関西2014』まで5年間三つ星を継続されているそうです。

「本湖月」と「未在」。わたしは茶道の稽古をするなかで、茶懐石についても大変興味を持っています。いつか勉強に、いや、それよりもたぶん、料理を愉しみに伺うことができたら素敵だなぁと思っています。

この賞は毎年開催されていて、推薦もできるようになっています。
毎年素晴らしい方々や作品との出会いのきっかけがあるので、これからも注目していきたいと思います。

第4回辻静雄食文化賞
第3回辻静雄食文化賞
辻静雄食文化賞公式サイト

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June 03, 2014

パン焼き小屋ツオップとライ麦パンの魅力 6月の講座

FBページ清水美穂子【Bread Journal】でお知らせしたことを、こちらでも共有します。

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朝日カルチャーセンター野外講座、おいしいパン屋さん巡り。6月11日は2月に好評いただいた「パン焼き小屋ツオップとライ麦パンの魅力」です。人気店ツオップの2階のカフェにて、店長の伊原さんにパンのお話を伺いながらライ麦パンをはじめとする食事パンと、それに合う料理を愉しみます。お申し込み詳細と受付はこちら、朝日カルチャーセンターのサイトへアクセス

もしくはお電話で03-3344-2041でも受付可能だそうです。
前回のレポートはこちら

とても素敵だったランチメニューも掲載しています。今回はメイン料理が夏向きに変更される予定です。ツオップのカフェへ行ってみたい方、ライ麦パンのいろいろをテイスティングしてみたい方におすすめの機会です。

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June 01, 2014

ことば

発売中の『現代詩手帖 6月号』(思潮社)新鋭詩集2014に、小山伸二さんの「ことば」という詩が掲載されている。
パンが出てくる詩だ。

福間健二さんが顧問を務める詩の塾で以前、出席者全員が「パン」というお題で書いてそれぞれ朗読した時、その詩に初めて出合った。

わたしはその時、パンの詩がたくさん聴けるかもしれないということで参加したのだけれど、参加するからには自分も書いて朗読しなければならず、かなりドキドキしたので印象深い。人によっていろいろな「パン」のイメージがあり、記憶があって、楽しい経験だった。

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「ことば」は小山さんがフランスで暮らしていた時と幼い頃の記憶から綴られている。
異国で異国の言葉で買い物をした時の感覚を初めてひとりでおつかいをした時の感覚とかさねあわせて。

いま手に入れようとしているのはパンではない
ことばだ

というところに、はっとする。

この夏はその小山さんが思潮社から詩集『きみの砦から世界は』を上梓されることになって、わたしは各章の扉写真を担当させていただいた。装丁、挿画は福井那人さん。

ここ数年、詩とは何かよくわからないまま、言葉が好きで写真が好きで、気がついたら始動していた。遊びで作った私家版『雲の恋人』、ameen's ovenのミシマショウジさんたちとのイベント『パンと詩のある風景を巡って』や『aとbと詩』、そしてル・プチメックの西山逸成さんの協力を得て、神宮前のレフェクトワールで開催した開いた個展『cloud9 exhibition』のことを思うと、感慨深い。楽しみな夏です。

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