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May 2014

May 30, 2014

KURASHI&Trips フルタヨウコさんと対談

料理家のフルタヨウコさんとパンとジャムを愉しむ対談をさせていただいた。

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ヨウコさんがジャムをつくっているKURASHI&Tripsというブランドのコンセプトは「日々の暮らしに、ひとさじ分の非日常を」。ヨウコさんのキッチンでパンとジャムとチーズを組み合わせては庭で撮影して、試食した。

わたしは、ヨーグルトクリームを紹介した。水切りヨーグルト。ギリシャヨーグルトともいうかもしれない。ヨーグルトクリームはあっさりしたマスカルポーネのようで、この季節、パンにつけたり、添えたりするのにいい。水分のホエー(乳清)は栄養があるので捨てずに使いたいところだけれど、そのまま飲んでもつまらない味……と思ったところ、ヨウコさんがジンジャーコーディアルを出してきてくれた。それで割ると、たちまち初夏の飲み物に。

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それから、前日の思いつき(頭の中でコーディネイトしてはいたけれど初の組み合わせ)で、つくってみたらとびきりおいしかったのが、キタノカオリで焼かれたカンパーニュにバターと青梅のジャムを塗って、「プティアグール」というバスクの羊のチーズをヒラヒラと削ってのせたタルティーヌ。おいしかったので、撮影がすんでからもみんなに一枚ずつ、また作ってしまった。

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終始なごやかな空気が流れていたのは、スタイリングされ作り上げられたひとこまではなく、普段のそのままの生活の一部だからだと思う。居心地がよく、すっかり素な気持ちになってしまった。これからはできるだけ素でありたい。素でいられる自分でいたい。

終わってみて気が付いたこと。
わたしは今回、パン職人さんと話をしてパンを選んだ。チーズ屋さんと話をしてチーズを選んだ。料理家と話をしながら一皿を一緒につくった。そのすべてが今日のこの素敵なトリップであった、ということ。皆さまに感謝。

対談の内容詳細は来月下旬頃にお知らせできると思います。

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ヨウコさんの北欧風スープ。ごちそうさまでした。

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May 28, 2014

カレーのエッセイからパンを考える

先日、面白い本を読んだ。

『アンソロジー カレーライス!!』(PARCO出版)。作家たちによるカレーライスについてのアンソロジー。なかでも、古山高麗雄(1920-2002)という人の文章が興味深かった。

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カレーの話だけれど、こういう時(食文化の話を読む時)の常でわたしは、パンのことを考えながら読む。

「多民族国家というわけではないのに、私たちの国ぐらい、世界各国の料理が氾濫している国はない。いろいろな民族がいて、それぞれが自分の民族の料理を求め、その結果各国の料理があるというのではない。日本人が、渡り歩いて、食っているのである。そういう日本人を客にして、年には、各国のレストランが店を構え、それだけではなく、異国の料理が家庭にまで入りこんでいるのが、私たちの国である」

パンも氾濫している。でも、カタカナで表記する外来語のように、パンはとうに日本のものになっている。多くの職人さんの努力で、いろいろな国に由来するさまざまにおいしいパンが、今も試行錯誤をかさねながらこの国の水や小麦粉で、独自の素晴らしい進化を続けている。

「戦後、この国にはスーパーマーケットが簇生し、食品会社が全国一律に、きまった味のルーを出荷している。青森でも鹿児島でも、同じルーを使って、同じ調理法でカレーライスを作っている。スーパーとテレビは、それだけでそうなったのではないが、この国とこの国の人々を画一化した」

テレビのほかに雑誌が、そして今はインターネットがある。

スーパーやコンビニエンスストアでは、どこでも同じ味のパンがリテイルのそれより低価格で、いつでも手に入る。パンだけれど新しい色や香りが季節ごとに流行する。会話をしたくない人はしなくても買うことができる。時代。

「私が、美味求真と口にしないのは、戦場で餓鬼道に落ちたからである。以来、私は、まずいという言葉を口にすることができなくなってしまった。だからといって、今は、まずいものを食う気にはなれない。今はその必要はないし、私は老人になった」

ここを読んで、今年、舟田詠子さんにインタビューをした時に、思わず涙ぐんでしまったことを思い出した。

「アルプスの村のおばあさんたちはね、”食べもので何がいちばん好きですか”と聞くと、”食べられるものならなんでも好きですよ。食べられるものならなんでもおいしいと思いますよ”と言ったのよ」

はっとした。自分で麦を育て、パンを焼く人の言葉だった。わたしはメディアの企画でパンのランキングの仕事をしたばかりだった。パンを嗜好品のごとく、主観で感じたことを伝えたまでだったけれども……。良くも悪くも、わたしは今この時代の資本主義経済のなかで生きているのだった。

わたしが受け持っている冊子のコラムへ、「消費者はどんなパンを求めているのか」、パン屋さんからの質問が寄せられる。消費者は素材も製法も流通経路も価格も多様なパンを前に、どれにしようか考えている。

「そうだ、あの店のパンを買おう」と思うきっかけを、わたしは作ってきたのだし、作っているのだと思う。個人的で小さな感動を、言葉にして伝えるのが、大好きだから。

おいしくていいもの。楽しくて素敵なこと。そのまわりにいる人々のことを伝えたい。
painに、痛みにすくんで、怠けている場合ではない。

カレーの本を読みながら、そんなことを考えていた。

昨日のpainの続きで、妙な感想文になってしまった。

読んでくださってありがとうございました。

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May 27, 2014

Painについて

フランス語読みでなく英語読みで、パンではなく、ペインについて。

昨年から今年にかけてわたしの内側は、パンに対して沈思黙考していた。

パンの仕事に関わる友人たちは相変わらず、日々の食の愉しみをわたしに直接あるいは間接的に分け与えてくれて、彼らの言葉や生き方はわたしにとってパンより興味深く魅力的であったけれど、いくつかのできことがかさなって、気がつくとわたしにとってのパンのイメージがすっかり、Pain(ペイン)になっていたのだった。どんなことがあったって自分の弱気に負けてはいけないのだけれども。

パンのおいしい、たのしい、すてき、なことを取材しようと向かった先にいくつかのペインがあった。彼らは痛みを、怒りや哀しみを抱えていた。そういうことについて、わたしは今まで書いてこなかった。誰も読みたくないものが出来上がると思ったから。でも、もし、目を凝らして痛みを見つめたら、その先に光が見えないだろうか。誰もがペインを持っている。その光の方向へ一緒に行くことはできないか。いまはそんなことを考え始めている。


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May 26, 2014

and after a long absence

2月下旬から、こちらのBread Journalの更新が滞っていました。

Bread Journal Facebook 
のフォロワーは2014年5月26日現在3180名を越え、投稿をすればリアルタイムで
読者の反応がわかることが励みになっています。

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でも、文章を書くならブログのほうが適している。

2月の下旬、誕生日に、自分の仕事について考えました。
書く、ということ。子供の頃から書いて生きていきたいと考えていて、
それは2000年頃からようやく仕事のかたちをとり始めました。

書いて生きていくためにはしなければならないことがいろいろあります。
それはひとことでは言えないのですが、ブログのための時間は少なくなりました。
ブログもまた、書く場所ではあるのですが。

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更新がない間に訪れてくださった皆さまにお詫びをするとともに
楽しみにしていてくださった方に、心からの感謝します。
ありがとうございます。

2月から、トースト総合研究所
でコラムの連載が始まりました(上のふたつの写真はそのコラムから)。
これはとても嬉しいことでした。よかったら、読んでください。

あと数本の未公開記事を公開したら連載は一旦終了しますが
またいつか続編ができたらと思っています。

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春は読者の方と直接お会いできる機会がいくつかありました。
3月は以前ここにも掲載した、パン文化研究者の舟田詠子さんのトークイベントを主催しました。
自ら主催したのは初めてのことでした。

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また、朝日カルチャー講座では丸の内のヴィロンで講師を務めました。
朝日カルチャー講師は来月のツオップで終了です。

5月は久しぶりに料理専門誌『料理王国』で記事を執筆しました。
紙の媒体で書かせていただけることは、非常にありがたいことでした。

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今までの仕事については2006年頃からこちらにおおまかに記録しています。
先日ようやく更新しました。時の流れるのは早いものです!

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書く以外の仕事も、書くためにしています。
そのことをいつも、自覚して、続けて行きたいと思います。

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これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。

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May 09, 2014

after a long absence

しばらBread Journal Facebookで更新をしていました。
https://www.facebook.com/BreadJournal

まもなくこちらも再開します。


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