ききパン!和麦カフェ 志賀勝栄シェフに聞く
小麦食を通じたコミュニケーションで日本を元気にするさまざまな活動を行うコムギケーション倶楽部。わたしは以前、製粉会館でマスコミ向けセミナーをさせていただきましたが、パンが好きな方々に向けての楽しいイベントも開催しています。
たとえば国産小麦を普及させる「和麦ひろば」ではパンマニアの片山智香子さんがパンの試食会「ききパン!和麦カフェ」を毎月開催しています。
きょうの「ききパン!和麦カフェ」の話し手はシニフィアンシニフィエの志賀勝栄さんでした。
志賀さんがパン職人として働き始めた頃は「パンは外国のものだった」と志賀さんは言います。職人さんたちが外国に行って、製法を学んでくるもの、見習って真似をするものだったと。
そう、多くの職人さんがフランスに見習おうとしていた時代、というのがあったと思います。でも、昨今の雑誌のパン特集をみれば、フランス風のパン屋さんばかりではない、個性的な新しいパン屋さんがたくさんオープンしています。
きょうはパン用小麦の生産をされている北海道の前田農産から前田茂雄さんも来られていました。前田さんのところでは「ゆめちから」「キタノカオリ」「春よ恋」「はるきらり」「きたほなみ」などのパン用小麦に取り組まれています。
和食であれ、フランス料理であれ、そしてパンであれ、自国の素材を使って、それをつくることの意味を想います。
「国内の小麦でこれだけおいしいパンができた、となった時、初めて世界に発信できるパンとなるのではないかな」と志賀さん。
食文化として根付くとは、そういうことではないか。
パン食を日本の食文化に沿って考えていくと、先に作ってほしい小麦粉があるということが大事になってくる。その前に、「こういうパンが好き」と生活者に言ってもらうことも大切。それがパン職人から生産者に伝わり、食べたいパンに必要な品種がつくられることになるかもしれないのだから。
そういうことが、今の日本では、可能になりつつある。それだけ、パン食文化が深まってきている感覚を、パンの好きな生活者がいて、職人がいて、生産者がいる会場で、きょう、あらためて感じることができました。
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