昨日の続きです。

巣箱から取り出したコムハニー(巣入りの蜂蜜)を見ると
白くなったセルがあります。
それは中に糖度の高い蜜が一杯入っている印。
ミツバチは完成品に蜜蝋でフタをするのだそうです。
だから本当は、すべて真っ白になるまで待てばよいですが
蜜搾りをする日の天候や花の時季のタイミングを
見計らった上で、蜂蜜にとって一番いい日を選ばなくては
ならないのですね。

この、白くなったところをナイフで削り取った後、遠心分離機にかけて、蜜を搾ります。
削り取った部分にも、最高にフレッシュな蜂蜜がついています!
口に入れて、甘い部分を食べてしまうと、あとは紙みたいな食感が残りますが、
これはガムみたいに噛んで、そして食べてしまえます。

きらめきながら搾られる蜜を見ていたら、この下に
ふんわりしたパンを持ってきて、受け止めたい
(このときばかりは、気泡の少ない厚切り食パンで)
と思いました。
養蜂家の田頭謹吾さんは、蜂が騒いだとき、女王蜂が逃げ出したとき、
どうしたらよいかなど、なんでも知っている、すてきな方です。
まさにBee Charmer!と思いました。
(Bee Charmerは映画『フライドグリーントマト』に出てきます。
……とてもいい映画)
これは、誰でもすることなのか、わかりませんが
蜜蜂が水溜りなどの不衛生な水を飲んでおなかをこわさないように
藻のようなものに含ませた蜜蜂用の飲料水が用意されていました。
蜜蜂に惜しみない愛情を注いで育てているのがわかります。
そういう養蜂家に育てられた蜂の蜜の質の良さは、言わずもがな、です。
ラベイユでは時々、ここで採れた蜂蜜を販売しています。
*
今朝のTVニュースに蜜蜂の巣箱が映っていたので
これはタイムリー……と一瞬うれしく思ったら
盗難被害が相次いでいる、というひどいニュースで、気持ちが曇りました。
どうしてそんなことを。
愛情を注いで育てていた蜜蜂を盗まれた養蜂家のことを思うと、心が痛みます。