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July 2007

July 31, 2007

夏日の買い物、夏野菜の煮込みと南仏ワイン

ラタトゥイユに使う野菜は
土や光の匂いがするようなのを
八百屋さんで買いたいと
思いたって、日差しの中を出かける。


両手に荷物をさげて、いつものワイン屋さんに行くと
「白い花の香り」がする南仏ワインを勧めてくれた。
安くて美味しい。


ちょうど探していたものを勧めてくれるなんて。
農家の鳥の巣、という名前もよくて、
気がつけば、車でもないのに相当な荷物に。
でも、こんなときのわたしは力持ちだ。

夏野菜は冷蔵庫に行かず、すぐに鍋のなかへ。
採れたての「気」を封じ込められるはず。
そのかわり、野菜室にはワイン。


夏のごちそうをつくりながら、
それにあわせるパンについて考える。

 

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その日の表情を撮る/ 階段をのぼる犬

パン屋さんの取材から戻ると
午後の日差しが残るうちに写真を撮る。

 

できるだけ、その日の表情をその日の光で撮りたい。
ライトを使わず、光を求めて場所を移動する。

 

しっぽをそよそよ振って静かに迎えてくれる
小豆頬髭犬のグー(小さいミニチュアシュナウザーの
グレイス)にかまってやらず、上の階で撮影をしていると
一段ずつ、懸命に階段をのぼってくる音がする。

 

彼女は鉄の感触が苦手で、この階段は無理だった
はずなのに、最近のぼれるようになった。
ただ、一緒にいたい一心で。

 

降りることはできないので、途中で止まってしまうと
途方にくれている。この困り顔は、可笑しくてせつない。

 

あきらめてそのままそこで寝ている彼女を起こして
パンのかけらを少しだけ、一緒に食べてから
わたしたちは、遅い夕方の散歩に出かける。

 


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July 27, 2007

広島焼きと夜風

よく行く広島焼きのお店へ。

 

わたしは目の前でなにかつくってもらうのを
見ているのが大好きだ。

 

熱い鉄板の上でリズミカルに動く職人さんの
手先を眺める。
ひとときも休めない、舞台の仕事だ。


山のようなキャベツが甘く平らになり
豚バラ肉のとろけるような脂肪が
バゲットのクラストみたいにカリカリに
変わる頃に、それはできあがる。

 

暑くても、食欲が落ちる季節でも
いい職人さんがいて、おいしい店には人が集まる。

 

広島焼きのお店から帰るときはいつも
夜風が気持ちよくて、ちょっと酔っぱらって、
たのしくて、すこし疲れていて、
縁日がえりのような気持ちになっている。

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July 24, 2007

オリーブオイルと塩、夏の朝のトースト。

今、冷凍庫にはカンパーニュ系のパンがいっぱい。

 

朝食にそんなパンを食べることが多くなって
最近試しているのは、オリーブオイルと塩。

 

なんとなく、オリーブオイルは正午以降の味
と決めつけているようなところがあった。

 

でも、夏の朝のトーストには、そのかろやかさが
なかなかいいかもしれない、と思うようになった。

ワインと同じで、特に決まっているものはなくて
そのときどきで、よさそうなのを買う。

 

塩は海と太陽と風と職人の技から生まれたという
ゲランドの天日海塩、セル マリン ムリュ。
ちょっと灰色がかった白の細粒をつまんで
パラリとかける。

 

写真はKoshukaの石臼挽きのカンパーニュ。
トーストするとサクサクと軽く
オリーブオイルの味との馴染みが、すごくいい。


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July 23, 2007

めくるめく食事パンの世界~Pain et Vinaigre

 

ナショナルデパートの「めくるめく食事パンセット」
パンの愉しみかたを綴ったパンフレットが入っていた。
タイトルはPain et Vinaigre(パンとお酢)。

 

パンとお酢?

「こういうときに不安がってはいけない。
不安はいつも美食の敵だ」

と秀島さんは書いている。

「子供のような好奇心と、未知の味に対するできるだけ
大胆な行動力」で、食事パンをもっと自由に愉しもうよ!
というその考えかたに、わたしも賛同する。

 

シェリービネガー、すましバター、胡椒。
さらにイチゴジャム、なんて、試してみたくなる。

ほかにもアップルビネガーに蕎麦の蜂蜜、
バルサミコにアンチョビ……。

 

パン屋さんが自分のパンの食べかたをたくさん知っていて、
「こういうふうにするとおいしいよ」と言ってくれると、
魔法がかかって何倍もおいしく食べられる、
とわたしはいつも思う。

 

それにしても、
酢は油や塩と同様、料理人にとってとても大切な
基本素材だけれど、パンにあわせるのにとりあえず
チーズでもワインでもなくお酢とは、超シンプル。

 

わたしが初めてパンに酢をあわせることを覚えたのは
その昔、サンフランシスコのレストランで
オリーヴオイルとヴィネガーを目の前で平皿に注いで
enjoy!と笑顔で言われたときだ。


シンクロする、幸せなパンの記憶……。

 

新しい記事、UPしました。

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スウィートな週末

 

昔住んでいた町にあり、その名前も気にいっていた
三本足烏(さんぼんあしからす)という洋菓子店は
ソワメームと名前が変わってからもときどき
お土産に買ってきてもらう。

 

家庭で作るケーキのようにシンプルで
「よけいなものが入らない」感じが好き。
いつ食べても、そんな話になる。

 

今週末は福岡のパティスリージャックの
イチジクのケーキをいただいて、感動。
とてもいい香り。生地のホロホロ感で
大好きなマフィンを思い出した。

 

それから、大阪のアトリエ・ドゥ・ママンの
キャラメルオランジュにも、心を奪われた。
ここのところどういうわけか、
キャラメル味がマイブーム。

 

そろそろ時期的にお休みしなくてはいけない
デスクトップチョコレートも、最近では
キャラメルのチョコボールだったりする。
そう、あのキョロちゃんの。

甘いものは心の栄養。
パンは、心とからだの栄養。

 

今週はいろいろなパン屋さんと話をした。

いつも尊敬している。
パンやお菓子ひとつで、
人をたちまち幸せな気持ちにしてしまう
その仕事。

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July 19, 2007

Lehestube Zopfの始まりの日

松戸の美味しいパン屋さん、Zopf(ツォップ)に
ほど近い場所に、研修所Lehestube ZopfがOPEN。
今日はそのレセプションに出席しました。


Lehestube Zopfの前にて、伊原やすともさん、りえさん。

 

技術指導や経営アドバイスに対応できるように
つくられたこの空間には、研修者のための宿泊施設と
テストベイクできる工房が設けられています。

この研修所の計画、昨年9月の記事に少し書いています。
きょうわたしが見たものは、この夢の実現の始まりです。

まだカリキュラムなど組まれておらず、ここで、これから始まる
「なにかいいこと」の可能性は無限大といった感じです。

 

今日のために焼かれた新作カンパーニュ2種類。
国産小麦をつかったものだそう。クラストがこんがり
焼けていて、良い香り!定番化してほしいパンです。

薪のオーブンで焼かれた肉料理(羊、豚、牛、鶏)は
アツアツのところにそれぞれリンゴだの西洋ワサビだの
用意されたソースをかけてもらっていただきます。

美味しいのはパンとあわせるものも。
パンが美味しい店は料理もかならず美味しい。
わたしの持論です。


 

この笑顔に感染。

 

パーティ会場となった中庭はお祝いにかけつけた
たくさんの人たちで、賑わっていました。

Zopfを業界内外から取り巻いて応援し、ともに頑張る人たち。
機械、製粉など材料に携わる人たち、業界紙記者、
パンを愛してやまない元気でラブリーな人たち。

わたしも、いつもお世話になっているたくさんの人たちに
再会したり、読者のかたにお会いでき、とても嬉しい一日でした。

たくさんの笑顔を眺めながら、考えます。
美味しいパンはこんなところからも生まれているのだなぁ、と。
同様に、わたしの書くことも、また、そんなところから。

お会いできた皆さま、ありがとうございました。

Lehestube Zopfのサイト

 

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July 17, 2007

雨の日の取材

深沢のKoshukaを取材。


店舗づくりに関わったこともあり、年明け頃から

ずっと楽しみにしていたお店です。

店の前には本物の葡萄。
何年かして、柱をつたって葡萄棚になったら素敵。

葡萄はワインにも、パンの発酵種にも、

生地のアクセントにもなる、偉大な果物です。

 

今晩はKoshukaのポテトパン(フォカッチャ)
にあわせて、チキンと6種類の夏野菜を焼き、
バルサミコをかけ、つめたい白ワインと愉しみました。

 

お店の詳細は後日、記事にて。

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July 16, 2007

メッセージをありがとうございます

日記サイトがこの場所に引っ越して
以前のように感想を書き込めるフォームを
設けていないのですが、メールをいただくこともあり、
それがとてもありがたく、励みになっています。

いつも読んでくださって、ありがとうございます。


ナショナルデパートの記事にひきつけられた
と感想をくださった、さくらさん。

お店の前に置かれた黒い小さな看板。
白い文字で「ぱん」と書かれていますよね。
思わずくすっと笑ってしまいました。

 

わたしもです。

そんなひとは多いのではないでしょうか。
サイトのなかにも思わずクスクスとなってしまう
ユーモアがあちこちに散らばっていますね。

ナショナルデパートの記事は続編をUPしています。

 

白ワインの話を書いてくださった、パンダちゃん。
その時期だけしかない、旬を感じるものが好きで
年に一度、生ワインを愉しむのだそう。
これもまた、一期一会な味がしそうです。

そして、富澤商店に行きそびれてしまった話。
ウェブショップもありますからご覧になってみてください。
本店は、東京の郊外にあります。
わたしは、実家に近いので、昔から馴染みがありました。
あと少しで100年、本当の老舗になるそうです。


感想メッセージはメールくだされば
以前と同様、すべて読ませていただきます。
ときどきはこんなふうにご紹介できたら、と思っています。

これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。

 

本当に、ありがとうございました。

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July 12, 2007

ペースト&トッピング

「なにかいいもの」をつくるとき、
その前を通りかかったとき、
富澤商店に立ち寄るようになって
かれこれ20数年になる。

 

乾物や豆などを選んだ後で、
レジの横に積んであるピーナツきなこクリームを
つい、買ってしまうので、それはもはや
我が家の常備品となっていたりする。

 

きょうは
薄切りトーストにピーナツきなこクリーム
その上に柚子皮の砂糖漬けをのせるという和の甘味、
ちょっと美味なるコーディネートを発見。

 

 

薄切りにしてよく焼いたパンを数種類、
ペーストするクリームやパテも数種類、
トッピングするフルーツやコンフィチュール
(蜂蜜もぜひ仲間にいれたい)をいろいろ用意して
美味しい組合せをみつけるテイスティングパーティなんて
楽しそうだ。

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July 11, 2007

ワイン・デイズ

家のワイン置き場は、キッチンの戸棚の下

築地バッグと呼んでいる籠の中。
料理屋さんが築地に仕入れに行くときに持っていく、

頑丈なあの籠です。

そのなかに、白ワインが入っていることが多くなりました。


捜し味(今考えた言葉)をしているからです。

習うでもなく、調べるでもなく、ただ記憶をたよりに

甘さのない、かすかに白い花の香りがするような、

キリっとつめたい味を探しています。

そんな曖昧な表現でも、思い当たる味があるとか、

すすめたいワインがある、というかたは、ぜひ、教えてください。

 

パン職人や料理人は、幸せな味の記憶を再現しようとすることで、

素晴らしい技を見せてくれるように思います。

 

わたしはそんなふうに、自分の好きな味について
もっと知っていけたらと思います。

ワインはつくることができないけれど、

遠回りもたのしい、探索の日々です。


写真は、捜している途中にみつけ
気にいってリピートした白です。

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パン屋のヤコブ

 『パン屋のヤコブ』複雑な世の中のための心やさしい哲学
ノア・ベンシー著 デーブ・スペクター訳

という本を読む。

 

思想を紙片に書きとめるパン職人、ヤコブ。
ある日その紙片がパンに紛れこんでしまい、
人を感動させたことから、村中の人がわれもわれもと
押しかけることになる、それぞれの説話が綴られた本。

 

訳者あとがきで
日本に存在しない観念や思想、単語を誠実に
翻訳するのは難しかった、とデーブさんは書いている。

話は単純なのだけれど、意味を理解するのが結構難しい。
それにちょっとお説教くさい。でも、なんだか残る。
「こころのクスリ」と書いてある。良薬は口に苦し?

 

わたしの印象に残った話は、こんな話。

純真な子供が、いろいろなことを学びながら
知識という小石を積み上げていく。
大人になるとそれが壁になり、見えるのは
自分が学んだことだけで、向こうが見えなくなっている。
そこで、長いことかけて壁を壊し、世界の素晴らしさ
を見晴らす(そのときは老人になっていた)というお話。

 

ところで、
本の最後にコラムを書いている「元パン屋さん」
どこかで聞いた名前、と思ったら懐かしい。
日本で最初のベーグル専門店、
六本木「フォックス・ベーグル」のフォックスさんだった。

 

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July 10, 2007

夏の週末の甘いパンと製パンスタッフ募集

 

週末に買ったヴィエノワズリは、
りんごの酸っぱさがおいしいショソンオポムと
コーヒー味のパン。

 

ぐるぐる巻いてアイシングをかけたコーヒーのパンは
小さい頃、母が焼くのが大好きだった。
懐かしく、こういうパンにいつも惹かれてしまう。

 

それにしても、夏だというのに
なんとなく冬のイメージのするパンを買ってしまったのは
セールを冷やかして、体がすっかり冷えて、冬の心地に
なっていたからに違いない。

結局買ったのは食料品だけ。

わたしはどんなセールより、そしてテーマパークより、
デパートの地下に面白みを感じるのだと思う。

*

デパートといえば、ナショナルデパート(@岡山)で
製パンスタッフ募集をしているのでお知らせします。
 
条件は、やる気のある人。
秀島さんのパンが好きで、想いに賛同できる人。

秀島さんのパンや想いについては、よかったら
先日の記事も参考にしてください。

 先日の記事「幸せをシェアするパン、ナショナルデパート」

 

ナショナルデパート
http://depa.jp/

募集内容
http://depa.jp/2007/07/20078920084.html

応募方法
http://depa.jp/2007/07/post_42.html

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July 06, 2007

感謝をこめて。

今思うと、不思議なタイミング。
偶然にも必然性が、経緯がある
と確信するような。

 

MOBACでナショナルデパートの秀島さんに
声をかけていただいたときは、
取材したくても、いつ取材できるか
わからなかったのです。

 

同じ頃MOBACで、トークショーを聞いていた
小田象製粉のかたが、岡山での講演会に
招いてくださったので、わたしは岡山に
行くことができ、取材もできたのです。

こんな機会がなかったら、なかなか行けなかった。

 

ほんとうにたくさんの人に支えられて
仕事をすることができているのだなぁと思います。

小田象さん、秀島さん、アリガトウ。
そしてこういうすべての、膨大なきっかけを
発信する場所を与えてくれているAboutにも感謝。

 

そんな気持ちのままに、記事を書きました。

これがまた読む人すべての、なにかいいことの
きっかけとなりますように。

 

* 新しい記事

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July 05, 2007

カンパーニュの箱

 

ここのところずっと仕事をしていて
ときどき犬と向き合ってヨガのポーズをとっては
姿勢を正す、の繰り返し。

 

そうやって一息いれるときに
LA CAMPAGNE QUATRE SAISON
と書かれたナショナルデパートの箱が
目の端に留まり、ちょっとうれしくなる。

 

ただの箱なんだけれども、違う、そのたたずまい。
その違いが、デザインというものなのかもしれない。

パン職人が箱をデザインする。
デザイナーがパンを焼く。
どちらにしても、すごいことだと思う。

 

家ではひたすらミニマリズムを提唱する夫が
いつもならどこかへ片付けてしまうはずの
空箱を、そのままにしている。

いま、箱の中には少しだけ、
仕事をやり遂げるための食べものが入っている。

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考えごとをしながらつくるサンドイッチ

グリルした茄子、チェリートマト、モツァレラチーズ。
深く考えずにこんがり焼けたトーストでサンド。

フォカッチャが欲しかったな、と思い、
さらに、そういうときのフォカッチャは
買うよりつくるものかもしれないな、と思う。

考えごとをしながらつくったサンドイッチは
いっぱい挟みすぎて、クローズするのにひと苦労。

いまのわたしの頭のなかみたいに。

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July 02, 2007

蜂蜜についての告白

数年前。
蜜蜂が一生のうちにつくることができる蜜はスプーン1/12杯、
と米国の蜂蜜協会で言っていたことに、たいそう心を動かされた
わたしは、その日パンにつけたスプーン1杯の蜂蜜のことを、

12匹の蜜蜂と養蜂家のコラボレート作品
と日記に書いた。

そのことをあらためて本の原稿に書くと、編集者に
「日本ではスプーン1杯が通常のようですよ」と指摘されたので、
(働き者の日本の蜜蜂たちに叱られないように)
訂正せざるをえなかったのだけれど、どういうわけか
12匹の蜜蜂と養蜂家のコラボレート作品
という文章の、消したはずの「12匹の」が、消されずに

残ってしまった。はずかしいですが、告白します。
パンに12杯も蜂蜜をかける甘党、と思われてしまいますね。
……それだけならいいのだけれど。

 

実際はどうなんでしょう。
と、最近日本のハチ屋さんとおつきあいのある
ameen's ovenのミシマさんに聞いてもらったら

「そりゃ、わからんいうのがほんとのとこでしょう」
という回答だったとか。

花のたくさんあるところや北欧の白夜などでは
一日中働いてたくさん採ってくることもあるらしい。
そうしたら、スプーン一杯よりも多くなるかもしれません。

「この季節は朝4時ぐらいに飛んで行って、
仕事から帰ってくるのは夜7時ぐらいだそうです。
働き者はパン屋だけではありませんね」とミシマさん。

 

そんな話をしながら買ったameen's ovenの蜂蜜のパンは
蜂蜜のせいか、焼き色が濃く、生地はもちっとしている。
バターだけで、そのほのかな甘みを味わった。

今年とれたての百花蜜のパンは来年には味わえない
今年だけの味がするはず。

写真は、いよかんトースト。人気の定番です。

* ameen's oven

 

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