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June 2007

June 30, 2007

夏のはじめにつくるジャム

 

軒先に、冬はりんご、夏の今頃は
杏が、それだけが、山のように並ぶ青果店がある。

なんでもある百貨店やスーパーマーケットに
慣れた目に、それは新鮮に映る。

キロ500円。
自分で計って店主に渡すのもたのしい。

梅雨の憂鬱な空気を浄化するような
美しい色と香りのことを想う。

思わず数個をとって、皿に盛り、眺める。

ジャムを待つパンと
贈りたい誰かの顔も浮かぶ。

久しぶりにジャムをつくろう。
材料は杏と砂糖だけ。水もいらない。

 *サマーアプリコットジャム

*『日々のパン手帖』にも載せています。

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June 29, 2007

ベーグルを愉しむカフェで昼食

蒸し暑さで呼吸が浅くなり、息苦しいような気分の梅雨の日。

西荻窪のポム ド テールへお昼を食べに行く。
昼間にこの界隈を歩くのは久しぶり。

 

オープンしたての頃、散歩中に見つけた。
取材でもお世話になったお店。

現在は改装して作業台を増やし、共に働くスタッフも
何人かいて、工藤さんは元気にがんばっている。

 

ランチは欧風惣菜とベーグルのユニークな組合せ。
わたしはここの手づくりマヨネーズがすき。
これだけをパンに塗って食べていいおいしさだ。

 

おみやげにはイチジクとキャラメルチョコの
ベーグルを買った。

* ポム ド テール(西荻窪) ベーグルを愉しむカフェ


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June 28, 2007

伊豆の山姥

伊豆の山姥から、さくらんぼが送られてきた。
山形から届いた贈り物のおすそ分け。
送り主の庭でとれたものだそうで、

今まで食べたことがない、おいしさ。

 

わたしには、伊豆の山姥、という伯母がいる。
いまはもう、伊豆にはいないのだけれど、ずっと伊豆にいた。

 

田舎らしい田舎のないわたしは、子供の頃の夏というと伊豆を思い出す。
着物、千代紙、お香、能面、昔話、絵本、わらべ歌、さまざまな民芸品。
そうした日本のいいものたちが、山姥によって、わたしに刷り込まれた。
(伊豆は韮山のパンの祖、江川邸に連れて行ってくれたのも、彼女だった。)

 

「伊豆の山姥」というのは、彼女がくれる手紙に記される署名。
草書体で書かれていて、子供にはほとんど解読不可能なその手紙は
大人になっても、外国語のようだった。

 

少し前から、山姥は高齢のため、わたしをわたしと認識できなくなってしまった。
それでも、枕元にわたしの本を置いて、読んでくれているという。

 

久しぶりに、山姥に手紙を書こうと思う。
文章でならまた、わたしにアクセスしてもらえるかもしれない。

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南国果実のパン

 

数年前からパイナップルやマンゴー、パパイヤなど南国の果実を
つかったパンやデニッシュをよく見かけるようになった。

濃厚な甘味と爽やかな酸味は、フレッシュでもドライでも
パンによく合うと思う。

 

最近食べたのは、パイナップルがゴロゴロと入った
イワンのフランスパンと、フランス人も大好きというライチ
の入ったbeのデニッシュ、”トゥピリチ”。

 

新しい記事をUPしています。

 

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June 24, 2007

100万人のキャンドルナイト2007夏至

夏至と冬至の頃「でんきを消して、スローな夜を」
というスローガンとともに各地でイベントが行われる
100万人のキャンドルナイト」。

20時から2時間、電気を消してろうそくを灯し、
思い思いの時を過ごすのです。

 

いつでもできることなのに、なかなか
きっかけがつかめないことって、あるものです。 

 

ろうそくの静かな灯りには、食事を美味しくする力があります。
視覚的な効果のほかに、会話をたのしみながらゆっくり味わう
時間が生まれるように思います。

忙しい人は、トクベツな日でなくても、ぜひお試しを。


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June 22, 2007

ナショナルデパート、五感で感じるパンとなにかいいもの

ナショナルデパートの秀島さんを取材。
やはり、抜群のセンス。

彼はブーランジェでデザイナーで絵本作家、
さらに肩書きは増えるかもしれない、と
わたしはひそかに思っている。

 

店頭に立つお母さまが手際よくパンをカットし、
店を訪れた人に試食をすすめている。
笑顔がとびきり美しい奥さまとスタッフがひとり
きびきびと動いている工房には
気持ちのいい空気が流れている。

 

七輪で焼くドイツパンをごちそうになる。
こんがり焼けたパンにバターをのせて
そのままでひとくち、それからレモンを絞って味わう。
ブリーをつけて、アンチョビソースをふったり
葉野菜をのせたりして、次々に組合せを発見するように
おいしく食べる。

パンの酵母を採取する後楽園近くの緑地へ案内してもらう。
まさにフィールドワーク。

 

なんだか遊んでいるようだけれど
こうばしく焼けたパンの食感や味、炭の温度、日差し、
生命力に溢れる緑や、湿った土、枯れた葉の香りなどを
記憶に留めながら、取材を続けた。

 

すっかり日に焼けて、気分は、遊びつかれた夏休み。
きっと行ったことのないところに行ったからだろう。
帰る前にいただいためずらしい、つめたいビールは
微かにハチミツのような味がした。

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倉敷での講演

大事にとっておいたデーツと無花果のパンの
最後の2枚にクリームチーズをはさんで
大好きなパンがハッピーエンド。

 

今日はそんな移動朝食を、新幹線のなかで。

 

久しぶりの出張は、未知なる岡山。
小田象製粉の主催する会での講演で
わたしは、食のトレンドや人気店のパンの魅力
コミュニケーションについての話をしました。

 

安全でおいしいのはあたりまえ。
おいしいと感じる心はそのときどき、人それぞれ
かもしれないけれど、それはパンの魅力をちゃんと
伝えることや、生きた言葉、心ある会話で
なりたっていく。

 

すべてはコミュニケーション。人と人とのつながり。
そこから生まれるたのしい時間は
わたしたちがパンを買うときの、付加価値となる。

 

最近のわたしはいつも
コミュニケーションのことで泣いたり笑ったり、
ときどき怒ったりしている気がする。
心が伝わると、ほんとうにうれしい。

 

関西など他の地域から来られているパン屋さんにも
何人もお会いして、貴重なお話をうかがった。
夜遅くまでたくさんの話をした。
ひろくなる視野。もっとひろげよう、と思った。

 

どういうわけか終始「裸足」で過ごさなければならなかった
ことは微妙に可笑しかった。軽いカルチャーショック。
会場のスパリゾートホテルではみんな靴を脱がなくて
ならなかったのだった。
結果的にかえってくつろいで話ができたのだから
よかったことにしよう。

 

お会いできた皆さま、ありがとうございました。

写真は翌日の製パン技術講習会のようす。
ここは小田象製粉なので、靴をはいています。

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飛ぶように過ぎる

クロックとウォッチ、置時計と腕時計ひとつずつ。
同時に遅れたりして、調子がよくないのはきっと、
わたしのまわりだけ、時間の流れがにわかに高速に
なったからに違いない、と思う。

週末と週明け、来週の岡山出張の準備、原稿書き。

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June 16, 2007

日本パン菓新聞社60周年記念レセプション

麻布台の東京アメリカンクラブにて開催された日本パン菓新聞社創業60周年記念のレセプションに出席。

京都で290年続く老舗料亭美濃吉の佐竹洋吉さん、 NPO セカンドハーベストジャパン チャールズ・E・マクジルトンさん、農林水産省 総合食料局長 岡島正明さんによる記念講演、続くパーティでは在日大使館7カ国の協力による代表料理とパンが並びました。

 

講演は今の日本の「食」の問題点を、あらためて広い視野で見るきっかけとなりました。

日本では今、毎日33,000トンもの食糧が破棄されているそうです。東京だけでも6000トン。たとえばラベルなどの包装が完璧でないという理由で。そんな食べものをいかす活動をするのがセカンドハーベストジャパン。

 

また、美濃吉の佐竹さんが言っておられた「不易流行」という芭蕉の言葉は、最近ずっと考えていたことにつながって、ストンと心に落ち着きました。

 

 講演やパーティには、いつも貴重なきっかけがあります。

普段ほとんどひとりで仕事をしているので、自分の仕事を知るかたがたにこのような場でお会いし、さまざまな評価の声をいただくと、ほんとうにありがたく思います。

パンを通じてそのひとや企業と関わった仕事を思い出し、自分の歩いてきた道を、ひとりではなかったことを、確認できるからです。

そして、これからもできるだけ、自分らしく歩いていきたい、と思うのです。

日本パン菓新聞社の菅田さん、そしてお会いできたたくさんのかたがたに、お話できたことや新たに生まれたきっかけに、感謝の気持ちでいっぱいです。 どうもありがとうございます。

 

今日の写真はケニヤのチャパティとウガリ(白トウモロコシの蒸しパン)と、エチオピアのダボ(カステラ風のパン)とインジェラロール。

日本人だから「カレー」とヒトコトですませてしまいそうな豆や野菜や肉などの煮込みを、こうしたパンにつけたり巻いたりしていただきます。

インジェラはテフというイネ科の穀物の粉でつくられます。わたしの知っているインジェラは酸味がなかったのですが、これはかなり酸っぱい。インジェラにもいろいろあるようです。 

 

「普段行けないような国の料理を食べてもらおうと思って」と菅田さん。ほかにはパプアニューギニアのロティ(ナン)などもありました。ウガンダ、モザンビーク、モロッコ・・・暑くて遠いイメージの国々。

 

外もすっかり真夏のような気候です。

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June 13, 2007

伊勢丹新宿店の食のフロアのリニューアル

 伊勢丹新宿店の食のフロアリフレッシュオープンで
プレスパーティへ。

 昨年のブーランジェピシエ be、ピエール・エルメ、
ジャン=ポール・エヴァンに続いて、今回はアンリ・ルルー、
セバスチャン・ブイエ、サダハル・アオキなどの出店が

話題になりそうです。

アンリ・ルルーさんはブルターニュのショコラティエ
(そしてキャラメリエ)で、わたしは以前
塩の入ったチョコレートをおみやげにいただいてから
塩のあたらしい魅力を知ったのです。

「フランスにバゲットの味比べに来てくださいね」と
気さくな、素敵な雰囲気の方でした。

さて、パンの話。

対面販売となったアンデルセン、そしてこのアンデルセンが経営する
グリーンブレッドはリテイルベーカリー初の有機認証をとったばかり。
メゾンカイザーは、オーダーメイドサンドイッチをスタート。
パンにあわせるお惣菜では有機、オーガニック、マクロビオティック
を意識したお店が目立ちます。

長くなりそうなので、記事に書こうと思います。

 

 

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June 12, 2007

イタリア地方料理とワイン、そしてパン。

夕方から国立にあるイタリア地方料理のお店へ。

ここはムッシュイワンのパンが食べられるのです。

写真は前菜。
クランベリーのパンにイタリア風のレバーペースト
バゲットにラルド、蜜リンゴのパンにゴルゴンゾーラのムース。

シェフはソムリエ。いろいろ出してくださり
めずらしい発泡性の赤やロゼをはじめ
白も赤も、ゆっくり愉しむことができました。

取材ではなくてよかった。

すっかりいい気分になって帰ってきました。

 

お会いできたパン職人の皆さま、どうもありがとうございます。
またすてきな夢を聞かせてください。

 

 

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スイートでいこう

新しい記事をUPしました。

スイートベーカリー パパン

 

 

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先日、引っ越してきたこの新しい日記サイト。
現在は感想メッセージを書き込むところがありません。

メールをくだされば以前と同様、すべて読ませていただきます。
時にはそのなかからたのしい情報を、ご紹介していきますね。

メールマガジンに書いたら最近の日記の感想など

早速いただきました。
いま、うれしく読んでいるところです。

だんだん、いつもの調子を取り戻してまいりました。
わたしはいつも、読者にたすけられています。

ありがとうございます。

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June 11, 2007

Red Ball Japan 2007

土曜日、年に一度ガイドたちの集まるトクベツなパーティ
Red Ball Japanに行きました。

7回目というから、いつのまにか、7年。
インターネットの世界もずいぶん変わりました。

この日記も5年目。
最近、仕様が変わったこともあり、ここで
どんなふうに続けていくことができるのか、できないのか
考えているところです。

わたしだからこそ、伝えられること。
これからも、書いていくことができたらと思っています。

*

パーティは、ワイン、立ち話、延々。
このわたしが、食べることを忘れました。

滅多に会うことのない素敵な人たちと
久しぶりに、または初めましてと
話すひとときが楽しめた貴重な機会でした。

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June 08, 2007

カリフォルニアソフトとグレープフルーツマーマレード

先月なかば、湯河原のBread&Circusに行ってからずっと
美味しいパンのある日々を満喫していた。
そのパンが切れる前に湯河原を訪れた母から3個ほど
(といってもBread&Circusのパンは大きくてどっしりしている)
送られてきたので、湯河原の人々のように
美味しいパンのある日々が続いている。

写真は家族の好きなカリフォルニアソフト。
ソフトというよりセミハードなフランスパンで
身がつまっているけれどヘヴィではなく
他のどこにもない美味しさを持つ白パン。

トーストしてバターをのせて
さっぱりした甘さのグレープフルーツのマーマレード
というのがいま、気にいっている食べかた。


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June 07, 2007

リトル・ミス・サンシャインを観た夜

All Aboutパンのサイトにリンクの依頼をいただいていた
サイトをすべて見る。
たとえばパン屋さんのサイト。
ホームページをつくる仕事とパンをつくる仕事は別なので
両方を上手にするのは大変なことだとあらためて思うけれど
誠実な心は伝わるものだ。

 

今月ははじめての中国地方でセミナーがひとつある。
戦略とか武器とか、物騒な言葉はいらない。

something good(何かいいこと)を見つけてもらうために
わたしの言葉で伝えたい。

 

夜、映画「リトルミスサンシャイン」を観て笑いながら、

よくわからないのだけれどボロボロと泣いてしまう。

そうそう、人生は勝ち負けではなくて、
その過程をいかにこころ愉しく生きるかだ。

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June 06, 2007

空豆

 

『日々のパン手帖』の仕事をしていた
冬のさなかに、空豆をさがし求めた。

冷凍のを使えばいいものを
どうしても生の空豆がほしかった。

ようやく手に入れたそれは
日本列島の南端のもの。
やわらかく新しい緑の味がした。

前の本のときは真夏で、リンゴだった。
撮影用でも、ほんとうにおいしくないと駄目
というルールを自分に課していたから
それはおもてに出ることはなかった。

空豆の季節が終わる。そろそろ食べおさめ。
もうじき枝豆の季節が始まる。

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June 05, 2007

やさしさの理由

 

府中にOPENしたばかりのパン屋さん、Pa Painに
先週末、行ってきました。

4月の日記に書いた「やさしいクリームパン」は
グローブ型から丸パンになっても、そのやさしい感じは
変わらず。

店に立つ家族みんな、いい笑顔の持ち主なのだけれど
とくに休み時間のおとうさんに甘える小さなフキちゃん
の笑顔といったらもう……!
その手には、クリームパンがありました。
大好き、なのだそうです。

なんとなく、やさしさの理由がわかりました。

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June 03, 2007

エコバッグいろいろ

スーパーマーケットで袋を有料化しているところがある。
1円でも、あっと思って手持ちの袋を取り出す。

毎日のように行く店は専用の買い物袋を持っていく。
店のロゴ入りのビニール製。
擦り切れやすいが軽く、携帯できる。

同じようなスーパーマーケットのバッグにも
保冷できるものや、ワインボトルの仕切りがある優秀な
ものもあるけれど、それらはしっかりしすぎていて
今のところあまり出番がない。

NYの書店やデリ、美術館のバッグは
ほどよく頑丈で洗濯にも耐える頼もしさが好きで
くたびれているのをまだ使っている。

 

写真はパン用のエコバッグ。

アルザスのパン職人組合のと、ベッカーズディライトのもの。
毎日これに焼きたてのパンをいれてもらえたら、素敵。

先日シャツを買った店で似たような薄手の布袋にいれてくれた。
これをもっていつも買いにきて、という意味ではなさそう。
洋服屋さんの包材は凝ったデザインのしっかりしたものが
多いから、コストにさほどかわりはないかもしれない。

 

新しい記事をUPしました。

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June 01, 2007

かもめ食堂

少し前に、映画「かもめ食堂」を観た。
小さなカフェに集う人々の物語。
フィンランドの色彩と空気。

自分の人生を好きなように生きることは
それなりに悩ましいことだけれど
毎日を精一杯生きていくなら大丈夫、なんとかなる
と思わせてもらえる映画だった。

閑古鳥の鳴いていたカフェに
お客さんが訪れるようになったきっかけは
シナモンロールの香りだったか……。
パンの匂いはいつもひとを幸せにする。
誰かがなにかを美味しそうに食べているその様子も。

この映画を観終わってからというもの
わたしが毎日のように試してみていることは
「コピ・ルアック」といって
コーヒーを美味しく淹れるやりかただ。

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ホームページFAVORITE WORKS
"Today's Favorite"などブログを再開。
書く内容を分けて、試行運転中です。

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